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都会の生活に、顔の見える農産物がある贅沢

意外と知らない地元のこと

私は横浜生まれ横浜育ちの人間です。
よく出身地を聞かれて「横浜です」というと、“都会っ子、はまっ子”と言われたり、“海の見える街に住んでいるの?”と聞かれたりします。
(「何で“神奈川”じゃなくて“横浜”っていうの!」と怒られたりもします。)
でも私の周りには梨農家や牧場があったり。“横浜”のイメージに合うおしゃれな場所とはかけ離れた場所に住んでいます。

大学の知り合いには入学を機に地方から来ている学生も多いです。その人たちは「うちの地元はこんなのがある!」などと、生まれ育った地域に自信や誇りを持っているように感じていました。
一方で神奈川育ちの自分は、「意外と地元のこと知らないし、そこまで自信を持つことができないなぁ。」と思ってしまったのです。
(「横浜っていったら“みなとみらい”」とか「リゾートだったら湘南ビーチと箱根」とかしか思い浮かばない…)

神奈川食べる通信に出会う

そんな時、ゼミの講演がきっかけで「東北食べる通信」という団体に出会いました。
食べる通信とは簡単に言えば、定期購読雑誌を通じて『生産者と消費者を顔の見える関係にする』仕組みを作っています。(※詳しくはこちらの記事で!)
団体の代表を務める高橋博之さんの「消費者は高みの見物をやめてグラウンドに降りてみろ!」という言葉はずしんと心に響きました。
そしてこの団体の活動が地元の神奈川でも行われていることを知って、思い切って「お手伝いさせてください!」とメンバーの方にメッセージを送りました。それが“神奈川食べる通信”です。tabe

相模半白節成という湘南伝統のきゅうり

初めて農家訪問をしたのは、平塚できゅうり農園を経営している吉川貴博さんです。
元々サラリーマンであった吉川さん。脱サラをして実家の農家を引き継ぎ、相模半白節成という湘南の伝統野菜を復活させました。
旬で稼ぎ時である夏の時期。朝は5時、ほとんど休みなく夜10時まで、きゅうりの発育に合わせ、一日二回の収穫と出荷。もちろん休日なく働きます。

「神奈川食べる通信」は週末に体験ツアーを企画。農園に会員になった読者さんがいらっしゃいます。私は読者受け入れのスタッフを行いつつ、きゅうりの草取りや箱詰めなど、吉川さんのお手伝いをしています。

農家さんがこんな忙しい毎日を送って“きゅうり”を作っている。そんな裏側を体験した私にとって、食のありがたみはもちろん、現状を知って食べることのできる“贅沢さ”を感じました。
吉川さんのつくる湘南野菜は、私の家の近くのスーパーにも来ていることも知りました。そうした“きゅうり”を見ると、とても親近感を覚えるのです。

顔のみえる農産物がある贅沢な暮らし
「神奈川の地産地消に貢献する」よりは、「神奈川の都会でも顔の見える地産地消な食を味わう」
義務感に囚われず、人との繋がりを通して、「自分自身が楽しく、贅沢だと思える暮らし」ができる面白さ。
そこに多くの人が共感して、結果的に神奈川という地域が強い地域になってほしいです。

グローバル社会・分業化社会と呼ばれ、大きな枠で互いに依存し合っている世の中。
そんな中で身近な所にいる生産者と繋がることとは?
「小さな一地域として自立する」また「一個人として楽しく地域に誇りを持って生きる」
そのヒントが隠されているのではないでしょうか。

(文・写真 長村和樹)

【HP】神奈川食べる通信
神奈川食べる通信


2015/7/2 更新

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