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【香川県うちわ共同組合連合会】江戸時代から現代に受け継がれる歴史と伝統

丸亀うちわの歴史

「丸亀うちわ」は寛永10年(1633年)に金毘羅大権現の別当、金光院住職宥睨(ゆうげん)が考案した「渋うちわ」(男竹丸柄うちわ)、1780年代に丸亀藩の地場産業づくりとして奨励した「女竹丸柄うちわ」、1880年代に富屋町の卸問屋が「奈良うちわ」に範を採る「塩屋平柄うちわ」を基に、他のうちわ産地の要素が融合してできたのが、現在の「丸亀うちわ」です。
江戸時代は「武士の内職」として、また明治以降は「丸亀の地場産業」として発達してきました。

明治時代の作業風景 香川県うちわ共同連合会

明治時代の作業風景

明治に入り、奈良うちわにならった「平柄うちわ」が塩屋町を中心に急速に普及しはじめました。平柄うちわは丸柄に比べて製造が簡単で、大量生産にも適していました。明治25~29年(1892~1896年)に大久保瀧次郎らが塩屋村(現塩屋町)に共同工場を開き、矢野馬太郎、小野又平らがこれに続き、明治27年には業界初の法人組織として「丸亀団扇株式合資会社」が設立され、それまでの「家内工業」から一気に「大量生産」に移行していきます。
更に、明治37年には当時の丸柄うちわが主流の問屋販売体制に対抗して、平柄うちわ擁護のために男子工30名、女子工40名を擁する「大矢商会」を設立し、生産工場から県外への直接販売を行い、一時はインドやアメリカにまで販路は拡大されました。明治41年「塩屋団扇職工組合」、42年「塩屋団扇合資会社」と設立改組されていき、「塩屋平柄うちわ」は紆余曲折を経ながらも合同の方向で発展していきます。
大正初期には、脇竹次郎が竹骨の切り込みに使う「切り込み機」、広げた穂骨を左右から支える鎌を通す穴を開ける「穴明け機」を発明し、うちわづくりを容易なものにしました。しかもその機械を独占することもなく、産地の業者に自由に使用を認めたため、生産量は飛躍的に増大。
現在の「丸亀うちわ産地」を確固たるものとし、全国生産の80~90%を占めるようになり、「日本一のうちわどころ」と認められるようになりました。


現代の丸亀うちわの姿

現代の丸亀うちわ 香川県うちわ共同連合会

丸亀には今でも50社のうちわ事業者があります。現在は、広告・販促物としてだけでなく、全国の有名神社などで独自のうちわとして販売されていたり、「夏の風物詩」として夏場の祭りの時に「竹うちわ」を利用されたり、エコロジー意識の高い方はクーラーの温度設定を下げてその分うちわで涼をとられるなど、また違った形で生活の至る所でうちわは活躍しています。また「ゆとりと豊かさ」を求める生活者ニーズの高まりとともに、伝統文化の良さを再認識する風潮も芽生えてきています。
香川県うちわ共同組合連合会が取り組んでいること

丸柄 丸亀うちわ 香川県うちわ共同連合会
丸柄:竹を丸いまま柄にしたもの

平絵 丸亀うちわ 香川県うちわ共同連合会
平絵:竹の管をうちわの柄の幅に割ってきれいに削った平らな柄

組 丸亀うちわ 香川県うちわ共同連合会
組:細く割った竹を縦横に組んだ骨に紙を貼る。3本組・4本組がある。


香川県うちわ協同組合連合会が行っている活動

1.「うちわの港ミュージアム – POLCA(ポルカ) – 」の運営
うちわの港ミュージアムは丸亀うちわの拠点施設・PR施設として、丸亀市から委託されて香川県うちわ協同組合連合会が運営しています。
平成7年の開館以来、41万人以上の方が来館されました。 年間の平均来館者数はおよそ2万人。全国的にも類似施設にあっては「実演」の看板を掲げていても、実際にはやらないケースが多い中で、「うちわの港ミュージアムの実演コーナー」は本館の目玉的存在としてご好評いただいてます。実演者は、これまで香川県うちわ協同組合連合会 骨部会会員(伝統的工芸士)や、「後継者育成事業」を卒業した新しい職人が務めています。
継続的に実施している「見学・製作体験」の希望者も確実に増えており、業界の若手推進グループ「礎」のメンバーを中心に、後継者育成事業の卒業生、香川県団扇商工業協同組合の協力で、多人数の団体の受け入れもよりスムーズに行うことができるようになりました。

2.後継者育成事業の実施
平成9年5月に「国の伝統的工芸品」の指定を受けて、翌年から「後継者育成事業」を実施してきました。一般の方から希望者を募集し、現在までに5期生、延べ60名以上の方が修了し、研修後もおよそ20名程度の方々が何らかの形でうちわ製造に携わっています。丸亀城内には「うちわ工房 竹」が観光案内を兼ねた店舗を構え、地域へも出張して製作実演~販売を行っています。また、うちわの港ミュージアムでも、高齢化する伝統工芸士に代わって研修修了者が部分的に製作実演を行うまでに成長してきています。

3.伝統的工芸品教育事業の推進
地域の学校に対して「うちわづくり体験」「地場産業としての丸亀うちわ教育」に協力・貢献しています。

4.「礎」の活動
「礎」(いしずえ)は、平成14年に結成された「伝産振興」および「連合会活性化」のために組織されたグループで、この「礎」という名前には、我々の「うちわ産業」が今世紀そして来世紀へと継続しうる産業となるための基盤を今築きたいという願いが込められています。

現在は4事業者が中心となって
1.伝産協会および伝産法の研鑽
2.連合会の財源確保 (うちわの港ミュージアムでの商品の販売/「うちわ体験作業」の実施)
3.行政と業界との連携を図る
の3点を柱に活動しています。

うりわ作り実演の様子 丸亀うちわ 香川県うちわ共同連合会

うりわ作り実演の様子

(写真・文:丸亀うちわHPより)

【HP】香川県うちわについて



2014/4/8 更新

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