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【宇都宮大学 鹿沼でほうき草を作る会】「ほうき草」の存続を目的としたプロジェクト

はじめに

栃木県は、鹿沼市の「鹿沼箒」や都賀町(現栃木市)「都賀の座敷箒」など全国有数のほうきの産地であった。これらの箒は、箒の根元にある「蛤(はまぐり)」という草が細かく編み込まれた部分が最大の特徴であり、他の箒にない美しさ・丈夫さを有している。
しかし現在では、生活スタイルの変化などにより、箒を見かけることは少なくなった。今では職人さんは数えるほどになってしまい、箒の原料となる草(ホウキモロコシ)を栽培する農家さんも高齢になり引退するなど、その数は数えるほどになってしまった。

宇都宮大学 鹿沼でほうき草を作る会

ホウキモロコシの穂

我々は、先輩が「鹿沼箒」について取り上げた卒業論文をきっかけに、「このままでは貴重な地元産の草が手に入らなくなってしまい、伝統の箒づくりの文化がなくなってしまう。長年続く地元の伝統の箒づくり文化を守りたい。」「学生にもできることがあるはず。何か力になりたい。」そのような思いを持った、宇都宮大学農学部農業経済学科の有志の学生が集まり、2013年4月に会を結成した。

メンバー

代表:津久井良明(鹿沼市在住)
他、農業経済学科学生有志10名
顧問:農業経済学科准教授2名(内1名鹿沼市在住)宇都宮大学 鹿沼でほうき草を作る会6

目的

・「鹿沼箒」「都賀の座敷箒」の原料となるホウキモロコシの栽培を鹿沼市で行い、学生の力で地元伝統文化の継承に貢献する。
・良質な原料草を生産するための栽培技術を研究する。
・活動を通じて、地域の人々との交流を深め、様々なことを学ぶ。

宇都宮大学 鹿沼でほうき草を作る会3

収穫

宇都宮大学 鹿沼でほうき草を作る会2

地元の方と協力しての脱穀

活動内容

・ホウキモロコシの栽培(栽培試験を行いマニュアル作り)
・ほうきの販売などを通じて、国産原料で作ったほうきの素晴らしさを広める。(予定)
・活動に関する情報の発信
・その他、鹿沼箒に関わる調査・研究

2013年の活動内容とまとめ

・鹿沼市内の畑で栽培(約80a)・・・収穫本数約3000本で重量にして20㎏。草は主に鹿沼市の職人さんに提供。評価は草が硬く、蛤型の箒には不適だった模様。
・Facebookページによる情報発信
・地元ラジオ局「Radio Berry」やNHKなどから取材を受けた。

鹿沼市内の農家の方の土地を借り、栽培経験のある農家さんなど地元の農家さんにアドバイスをいただきながら、手探りでスタート。収穫も含め、播種・除草・間引き・施肥などの作業は手作業で行い、真夏の炎天下での作業を通して、ほうき草生産者生産から手を引いた理由を体感すると共に、農家さんや職人の方とも交流を深め、歴史や伝統の重みを実感した。
お盆の時期には虫害や豪雨による倒伏を乗り越え、草の収穫を向かえた。収穫後すぐに草を熱湯に通す「ユ(湯)ークレ」作業を行い、数日かけて乾燥作業を行った。相変わらずの日照りの元での作業も、生産の厳しさを実感するものとなった。
収穫後に残った茎や葉などの残渣は、地元の畜産農家の方に提供し資源の循環に取り組んだ。

宇都宮大学 鹿沼でほうき草を作る会4

お湯に通した後に行う乾燥作業

そうして様々な苦労の末に自分たちが栽培した草が、箒として仕上がった時には一同感激した。職人さん曰く「蛤型」の箒には不適とのことだが、来年以降の課題を見つけることができた。

今年、農業素人集団の私たちは、地元の方との交流を通じて多くのことを学んだ。この経験は普通の大学生活では決して味わえないことであると思う。今年の経験をもとに来年以降も活動を進めていきたい。伝統を守るため。

宇都宮大学 鹿沼でほうき草を作る会5

育てた草で編まれた座敷箒。
蛤型にするには固すぎるとの評価でしたが来年以降の課題も見つかりました。

2014年以降の活動予定

・栽培面積の拡大(遊休農地・耕作放棄地を利用)
・栽培試験を行い、栽培技術をマニュアル化する。
・蛤型ほうきの原料となるような原料草を作る。
・情報発信
・現メンバー卒業後も継続して生産を行う。長期的活動を目指す。

宇都宮大学 鹿沼でほうき草を作る会【FB】https://www.facebook.com/iikanumahoukihamaguri


2014/2/17 更新

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