京都府亀岡市の時計店に、動かなくなった古時計の修理依頼が急増している。学芸員資格を持つ時計職人が店頭で行っている古時計展をきっかけに依頼が舞い込むようになり、ここ3カ月で30件以上に。技能士の男性は「再び動きだした針を見たお客さんの笑顔がうれしい」と、時計に命を吹き込み続ける。
北町の「さくらい時計メガネ店」の一級時計修理技能士・櫻井康久さん(33)。昨年10月以降、江戸時代後期の和時計から、昭和30年代までに製造された掛け時計や懐中時計、手巻きの腕時計が持ち込まれている。
櫻井さんは大学時代に歴史を専攻し、学芸員資格を取得。大学卒業後に家業の店に入り、専門学校で時計修理の技術を一から学んだ。大学で学んだことを生かそうと、2010年から6月と10月に、店保管の舶来時計などの由来を調べて展示している。それを見た通行人から、家の蔵や物置で眠っていた古時計を「もう一度昔のように動かしてほしい」と依頼してくるという。
故障原因の多くは、真ちゅうや鉄で作られた歯車や軸の一部が欠損しているため。修理では、1939年創業の同店に残る過去の部品をできるだけ使い、ない場合は櫻井さんが手作りする。
明治時代の掛け時計を修理してもらった関賢さん(72)=同市大井町=は「35年近く壊れたままで放っておいたが、再びボーンという音を聞いたり、ぜんまいを巻いたりすると、子ども時代がよみがえり、何とも言えない味わいがある」と喜ぶ。
櫻井さんは「捨てられた古時計はもう二度と作れない。直して使い続けることで、古い物を次代に残していきたい」と話している。(京都新聞より)
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2014/1/18 更新
