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【あば村宣言】村の暮らしや風景を受け継いでいくために〜あらたな村のはじまりです。

平成の大合併によりなくなってしまった村。
交通が不便な土地ではあるけれど、人間らしく生きるための大切なものがたくさんあるこの村を、未来の子どもたちに残していきたい…。
そんな想いからはじまった、住民たちによるあたらしい「村」。
シンプルに、丁寧に暮らしていける「村」を紹介します。

〜以下、「あば村宣言」HPより〜

村じゃなくなったあの日から約10年
幼稚園休園、小学校閉校、役場縮小、ガソリンスタンド撤退…
押し寄せた逆境の中、住民たちが立ち上がる

岡山県 阿波村 あば村宣言

・あば村宣言とは

岡山県 阿波村 あば村宣言

合併から10年、いま再び村がはじまる

岡山県阿波(あば)村は平成の大合併の流れの中、
平成17年に津山市と合併し115年続いた『村』はなくなりました。

それから10年。

合併当時700人だった人口は570人にまで減り、
140年の歴史のある小学校は閉校、幼稚園は休園、
唯一のガソリンスタンドも撤退、行政支所も規模縮小…。
まさに『逆境のデパート』状態となってしまいました。

しかし、このような逆境の中でも未来を切り拓く挑戦が始まっています。
地域住民が設立したNPOは、住民同士の暮らしの支えあいや
環境に配慮した自然農法のお米や野菜づくりに挑戦しています。
閉鎖されたガソリンスタンドは住民出資による合同会社を立ち上げ復活させます。
エネルギーの地産地消を目指し、地元間伐材を燃料にした
温泉薪ボイラーの本格稼動も始まりました。
こうした取り組みの中で地域住民に留まらず、地域外からも協力者や移住してくる
若者も増え始め、私たちは自らの手で新しい村をつくることを決意したのです。

この度、私たちはここに「あば村」を宣言いたします。

自治体としての村はなくなったけれど、新しい自治のかたちとして、
心のふるさととして「あば村」はあり続けます。

周りは山だらけ、入り口は一つしかない「あば村」は不便で何もない場所かもしれません。
しかし、「あば村」には人間らしく生きるための大切なものがたくさんあります。
このあば村の自然と活きづく暮らしを多くの方々と共有し、守り続けていくこと、
そして子どもたち孫たちにこの村での暮らしや風景を受け継いでいくことを決意し、宣言いたします。

合併から10年、あらたな村の始まりです。

2014年4月   あば村運営協議会 会長 小椋 懋

 

〈挑戦プロジェクト〉

・住民の、住民による、住民のためのガソリンスタンド

岡山県 阿波村 あば村宣言

住民の、住民による、住民のためのガソリンスタンド

2013年春、住民の生活を揺るがす一本の電話が鳴りました。その内容はJAからガソリンスタンド撤退の知らせだったのです。。。

田舎の生活では自動車は住民の脚として必須で、あばからガソリンスタンドがなくなれば近くて往復20kmの距離を走らなければ燃料のガソリンが買えなくなってしまう。中にはバイクしかないお年寄りもいるし、何と言っても冬場の暖房器具で使う灯油を買うのも一苦労となってしまう事態でした。

住民の生活をいかに守るか、全住民に対して存続への聞き取りを実施したところ、全住民の7割(特に高齢者の方々)が「ガソリンスタンドを残して欲しい」と望んでいることが分かりました。同年秋から具体的な存続のための運営方法が協議され、そして出した結論が「自分たちの手で続けていく」ため住民出資の合同会社設立だったのです。

社員134人 住民会社「あば村LLC」設立

2014年2月6日『合同会社あば村』が設立されました。社員はあばに住む住民134人。岡山県北では大きな企業と言えます。自分たちの手で存続させていく意識を忘れないためにも、出資者全員が社員である『合同会社(LLC)』という会社形態を選び、法人が設立されました。

しかし、現実的にはガソリンスタンドの経営は決して楽観視できるものではありません。厳しい利益率の中で運営すること、3年後には地下タンク改修工事が必要になることなど、不安要素は決して少なくはありません。

そうした状況でも『合同会社あば村』が担う役割に対する希望もあります。2012年から実証実験が始められ2014年度から本格スタートする『木の駅プロジェクト』の運営と間伐材の商品化事業、ガソリンスタンドに併設されたJA事務所を活用した物販事業やコミュニティスペースづくりなど、住民会社ならではの住民が望むサービスを事業化する取り組みも進められています。

そして、こうした民営事業を通して若者の雇用を生むことで広がる可能性へも期待しています。地元住民だけではなかなか気付かないあばの魅力を外からのIターン者の視点を取り入れることで、より魅力的な地域づくりに繋げていくこともこの会社の重要な役割になります。
私たちの挑戦はこれから始まります。

 

・エネルギーの地産地消

岡山県 阿波村 あば村宣言

地域の94パーセントを山林が占め、そのうち、スギやヒノキの人工林は約80パーセントのあば。これまでは木材の価格が下落しているため、間伐した木の多くはそのまま山に放置されたり、そもそも間伐も行わず山が荒廃してしまう状況になっていました。
そんな日本中で起こっている問題に対して、発想の転換から生まれたのが『木の駅プロジェクト』です。
価値がないと思われてきた間伐材を「集めて・破砕処理し・地元で消費する」仕組みは、まわりを山で囲まれたあばには、うってつけの取り組みとなりました。

仕組みは、まず地元山林所有者(山主)によって、間伐材が集積場(木の駅)まで運ばれます。運ばれた間伐材は、チッパーで破砕処理され、あば温泉のボイラーの燃料として使われます。化石燃料ではなく間伐材を燃料として使うため、二酸化炭素の排出量の抑制効果が見込まれ、環境に優しいエネルギーとなります。また、間伐材はあば地域の商店などで使える地域通貨「こもれび券」と交換されるため、地元の山主さんは間伐材で温泉にはいったり地域で買い物することができます。
切り捨てられたままで、価値のないものとされていた間伐材が、商品に生まれ変わり地域の経済も活性化させる役割を果たすことができるようになります。

2012年から実証実験として取り組みを始め、2014年度から本格的に実施された『木の駅プロジェクト』。今後は間伐材を持ち込める地域をあば以外にまで拡大して集荷量を増やし、一般家庭向けの薪に加工して販売するなども計画しています。

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・古里を未来につなぐため、できることから始める

 岡山県 阿波村 あば村宣言

人口減少と少子高齢化が続くあばでは、住民たちの間に「古里を残していくために、何とかしなければ。今、わたしたちが動き出さなければ、手遅れになってしまう」という意識が芽生え始めました。そして話し合いを重ねた結果、源流があり、森や豊かな自然とおいしい空気など、山奥の行き止まりの場所だからこそ残された里山の風景と古里を未来へつないでいこうという思いでまとまりました。そうして、環境(エコロジー)を切り口として村(ビレッジ)の再生を目指す『エコビレッジ構想』がまとまったのです。
『住民同士の支え合い』と『環境に配慮した暮らし』をテーマに自分たちのできることから活動を始めようと、現在では『外出支援や除雪作業』『アヒル農法や有機農業』『木の駅プロジェクト』を中心に地域づくりが行われています。

あばの基幹産業でもある農業を持続させるため、地元の生産者さんたちが育てた農作物を地域内の「あば食堂」や「あば温泉」直売所や、住民企画イベント『まるごとかじり市』で提供しています。そして有機無農薬栽培の野菜やお米は「囲炉裏焼き あなみ」が仕入れて料理を提供する仕組みで無農薬栽培の普及活動も行われています。

交通が不便な土地だからこそ残された自然と里山風景を、未来の子どもたちにも残していくため、あばの魅力を多くの人に伝えていく活動がこれからも必要となってきます。今後も畑で採れた野菜をその場で食べられるイベントなど、あばに訪れることで、里山の魅力を体で感じられる催しを開催していく予定です。

岡山県 阿波村 あば村宣言文

 

〜村の広報担当・坊さんからのメッセージ〜

村の広報役、ぼーくんです!!あば村には守られて来た美しい自然と文化があり、そこから村人が新しいチャレンジを始めています。みなさまのご来村を心より御待ちしております!

(文・写真・図版 あば村宣言HPより転載)

【HP】あば村宣言
【FB】あば村宣言


2014/10/23 更新

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