毎月1回、小田原に集まる手作り雑貨とオイシイモノ。
「小田原の地に、定期的に開催されるクラフト市を根付かせたい。毎月そこに手づくりのアートや雑貨、オイシイモノが集まり、地元の作家さんやお客さんが集まることで、街が元気になるような新しいつながりをつくりたい」。地元の西湘地域で暮らす3人のクリエイターがそんなことを思い立ったのは、2011年のこと。
それから1年間、企画書を提出しては「クラフト市なんて前例がない」「そんな前例は作りたくない」と各方面から断られまくった末に、ようやく出合うことのできた場所が、小田原北部の上府中公園でした。
「カミイチ(かみふなかクラフト市)」と名付けられたイベントは、毎月第4土曜に開催。手芸、陶芸、木工、ガラス、金工、皮革、染織など、暮らしに根ざしたさまざまなモノヅクリをしている西湘や湘南の作家さんが参加してくれます。また、箱根の寄木細工や漆器の若手職人が、おみやげ用の商品とはガラリ違ったアート作品を発表するなど、地元の伝統工芸の未来を感じることができる場としても注目されています。
そして、クラフト好きはオイシイモノ好き。クラフト市にオイシイモノは欠かせません。本格的なロティサリーチキンやタイ料理、スープカリー、自家製ソーセージ、スペシャリティコーヒーなどの移動販売車、午前中で売り切れてしまうパンや焼き菓子の人気店など、毎回充実したラインナップを誇っています。
いつかこの街をクラフトのメッカにしたい。
2012年12月に行われた第1回は31店舗が参加し、その後も30~50店舗くらいで推移しています。公園の池のほとりの並木道にカラフルなブースがずらっと並ぶところは、どこかヨーロッパの街にありそうな風景です。こんなに素晴らしい空間を地元の人にもよその人にも、もっと知って欲しいものです。
実際にはじめてみると、意外にもすぐとなりにある静岡県からの出店者も多くて、県西部で開催するとそういうことが起きるのか、と驚いたり。カミイチのつながりは、すでに県境も越えてしまっているのかもしれません。
城下町、宿場町、そして箱根の玄関口として昔から栄えてきたのに、今はあまり元気のない小田原。いつか「クラフト市といえば小田原」と言われるくらいになるように、これからもたくさんの人たちとつながりながら、地元を活性化させるような小さくてもしっかりとしたうねりを巻き起こしていきたいと思います。
(情報・写真 カミイチ実行委員会)
開催日:毎月第4土曜
時間:10:00~16:00(小雨決行)
場所:小田原市 上府中公園
2013/10/5 更新