• Facebook
  • Twitter
  • 地元びいきとは
  • 問い合わせ

【樽前arty+】アートで地元を変えていく

樽前arty+ たるまえアーティ プラス

北海道苫小牧市の西側に「樽前」と呼ばれる地域がある。
約7,800ha(東京ドーム63個分!)に約650人が暮らす、広くて小さな街。
このまちで地元に密着し、アートを中心とした活動をしているのが、「樽前arty+(アーティ プラス)」だ。

藤沢レオ 樽前arty+ たるまえアーティ プラス

藤沢レオさん

「元々は札幌など北海道を転々しながら、創作活動をしていたんです。元々、アーティストが東京などの都心でしか活動できないってどうなのかという疑問があって、独立する際にふと幼少期を過ごした樽前のことを思い出して、自分自身のアトリエとして、ここを拠点にすることを決めたんです。」

「樽前arty+」の代表であり、また彫刻家として活動されている藤沢レオさんは、独立し樽前に拠点を構えた時のことをこう振り返る。

「地方でやるからには、創作活動だけではなく、アートを通してその地域と関わっていくことをやっていきたい。そう思ったんです。今では、様々なバックグランドを持つ、幼なじみなど9名のメンバーと一緒に、地元で美術展やワークショップを実施しています。」

美術展は地元の自治体と連携を取り、近くの小学校を連休中に借りきって実施している。
また、ワークショップは「樽前arty+」のメンバーが小学校に出向き、実際に授業を行ったり、苫小牧の地域の人に対して得意なことを教えるなど、まさに地元に根ざした活動を行っている。
例えば、小学校で実施している授業では、「一人一筆だけ書く」という制限を設けて、みんなで1つの絵を完成させる授業など、普段の学校教育では学べないような取り組みをしている。

樽前arty+ たるまえアーティ プラス

美術展の様子

「なぜ、このようなことをやっているかというと、“日常を楽しめるヒト”を増やしたいと思っているんです。休日になると、札幌に買い物などして過ごされる方が多い中で、モノの見方をちょっと変えることで、身近にある環境をもっと楽しむことが出来ると思うんです。それをアートを通して伝えることで、住民の方々の地元に対する想いが、少しでも変わるきっかけになればいいと思ってやっています。」

これが「樽前arty+」の活動の原動力。


10年間の活動でまちの人の意識は少しずつ変わってきている

地元密着で10年間活動を続けてきた「樽前arty+」の活動を通して、地元の人にどのような変化があったのだろうか?

「最初は“樽前でアーティストやってます”と言っても、なかなか地元の人に受け入れてもらなかったです(笑)。年に1回開催している美術展も300人ほどしか人が来てもらえなくて、しかもそのほとんどが札幌などの都市部からのお客さんでした。しかし、今ではありがたいことに、2,000人くらいの方に来場いただいています。その多くがワークショップで知り合った方など、地元の方が多いんです。少しずつ、着実に僕たちの活動が地元の人に認知してもらっているなと、いう実感があります。」

その他にも、中学校で美術部に入る子が急増していたり、ワークショップに参加した小学生が樽前の地域に転校してくることもあり、「樽前arty+」の活動は確実に、樽前の地域に変化を与えている。

樽前arty+ たるまえアーティ プラス

ワークショップの様子


新しい取り組みとして、次はアートinレジデンスをやっていく

「次は樽前でアートinレジデンスをやろうと思っています。アーティストに樽前に来てもらって、短期間でもいいので創作活動をやってもらう。地元の外から来るアーティストが樽前の地域に関わることで、地元に人たちに新たな刺激を与えてくれると思うんです。そして、その人たちが樽前の地域を離れても、様々なバショで樽前の良さを語ってくれる。そんな循環が起きることを期待しています」

すでに募集は始まっており、さっそく3組5名のアーティストから参加の申し込みが来ている。参加者は東京や関西など、これまで樽前と縁のなかった人がやってくる流れができてきた。

「樽前arty+」が、地元の人を「日常を楽しめるヒト」にするための活動はこれからも続く。

(取材協力・写真提供:樽前arty+ 藤沢レオさん/文:足立直之)

【HP】樽前arty+
【FB】
樽前arty+


2014/7/3 更新

カテゴリ

タグ

新着記事