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〈大阪府〉W杯4大会連続出場 「太陽工業」の特殊テント生地

大阪の企業も“日本代表”で参加-。サッカーワールドカップ(W杯)ブラジル大会のスタジアムに、ものづくりのまち・大阪で生まれた技術が使われている。観客席を覆う屋根の素材に採用された軽くて明るい特殊なテント生地はスタジアム内の余分な柱を減らし、頭上の圧迫感を軽減。選手や観客が試合に集中できる環境を実現した。世界に誇る大阪の技術力がW杯の舞台裏を支えている。

■トップランナー
スタジアムの屋根建設に携わった企業は、テント構造物メーカー「太陽工業」(大阪市淀川区、能村光太郎社長)。特殊なテント生地を使って大型建造物の屋根を造る業界のトップランナーだ。大阪万博のアメリカ館や東京ドーム、長居スタジアムの屋根も手掛けている。

今回、同社が受注したのは「エスタジオ・ナシオナル・デ・ブラジリア」(ブラジリア)、「エスタジオ・ミネイロン」(ベロオリゾンテ)、「アレーナ・フォンチ・ノヴァ」(サルバドール)の3スタジアム。1次リーグだけでなく3位決定戦や準決勝でも使用される。

ガラス繊維で織り上げ、フッ素樹脂をコーティングして作る建築用テント生地のメリットは素材の軽さ。1平方メートルで約1キロしか重量がないため、従来工法の数十分の一の軽さで屋根を造れるという。

支柱や梁(はり)の数を減らすことで開放的な空間を演出し、選手や観客が試合に集中できるとして大型スタジアムでの採用も多い。

■高い技術力
W杯で、同社は2002年の日韓大会で5施設、06年のドイツ大会で2施設、10年の南アフリカ大会で3施設を担当。ブラジル大会で4大会連続となる“出場”を果たしたことになる。

同社の強みは、国内で85%、海外で60%のシェアを築き上げた高い技術力。「ナシオナル・デ・ブラジリア」と「ミネイロン」の膜構造屋根に使用されている「酸化チタン光触媒膜材」は、太陽光で汚れを酸化分解し雨水で洗い流すことができ、完成当時の美しさを長期間保てる。

薄さ約1ミリの生地が光を通すため、スタジアム内の明るさに差がないことも特徴。テレビ中継の際にスタンド席のサポーターが影になりにくく「試合会場の臨場感が伝えやすい」とテレビ局の評価も高いという。

同社が手掛けたスタジアムでザックジャパンが試合をするには決勝トーナメント進出が条件。1次リーグ1位通過ではミネイロンで準決勝を、2位通過ではフォンチ・ノヴァで準々決勝を戦うことになる。

本田圭佑選手を応援する同社広報の上田テツヤさん(45)は「自分たちが手掛けたスタジアムで日本代表が戦ってくれたらうれしい。テレビ中継では解放感のあるスタジアムの雰囲気に注目してもらいたい」と話している。(大阪日日新聞より)

太洋工業株式会社についてはこちら

太洋工業 テント エスタジオ・ナシオナル・デ・ブラジリア


2014/6/16 更新

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