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〈群馬県〉紡いだ悲願「県民の誇り」 「富岡製糸場」世界遺産へ

10年以上にわたる努力がついに結実した。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)が「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界文化遺産への登録を勧告したことが文化庁を通じて県に知らされたのは26日未明。県の担当職員らは早朝から市町村への連絡業務を行い、大沢正明知事は記者会見で「県民の誇り」と胸を張った。

大沢知事は同日午前10時に記者会見。「評価されたと聞き一安心という思いだ。本当に良かった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
大沢知事は「県は世界遺産も国宝もない。それだけに期待は県民等しく大きかった」と長年の県民の悲願だったと強調した。勧告を受け、「県民の誇りにもなるし、観光振興にもつながっていく。大切に取り組んでいきたい」と話した。
“満額回答”の高い評価を受けた要因として、大沢知事は、それぞれの構成資産が絹産業にもたらした成果を説明したうえで、「構成資産の連携が分かりやすかったというのが大きかったのでは」と分析した。
今後の取り組みについては、「6月の本登録に向けて取り組んでいきたい」とし、「(群馬には)4つの構成資産以外にも、伊勢崎の銘仙や桐生の機織りなどもある。群馬が養蚕県ということをうたっていければ」と話した。
担当部署の県世界遺産推進課では、文化庁からの連絡を受け、午前2時半ごろから10人ほどの職員が次々と登庁。午前3時ごろ、勧告を正式に知らされると、職員らは市町などに「登録されることになりました」と電話で連絡した。

一方、富岡製糸場食堂では富岡市の岩井賢太郎市長や、富岡製糸場世界遺産をめざす連絡協議会の高橋伸二会長、富岡製糸場解説員の会の関利行会長らが記者会見を行った。
岩井市長は「市民の皆さんと喜びを分かち合いたい。保存に尽力した片倉製糸にお礼を申し上げる」などとした上で、「6月の本登録へ向けて気を緩めずに対応していきたい」と話した。
施設の保存については「計画に従って取り組む。安全を確かめながら公開部分を拡大していく」とした。
高橋会長は「これからが正念場。全市民一体となった街づくりをしなければならない。全面公開まで30年もかかる点は改善すべきだと思う」とし、関会長は「一日千秋の思いで待っていた。一層、解説員として磨きをかける」と話した。(産経ニュースより)


2014/4/28 更新

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