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〈report@2014/3/6〉座学+ワークショップsession1:ニッポンの伝統的工芸品こと〜滋賀県「近江上布」〜

終えてみて。ではなく、一歩目の勉強会が始まりました!、というレポートとなります。近江上布 近江の麻

今回、この〈座学&ワークショップ〉開催にあたり、滋賀県より足を運んでくれたのが、近江上布伝統産業会館に従事されている田中さんと西川さん。
お二方との出会いは、昨年、渋谷で開催されたとあるイベント会場で。ちょうどこの「地元びいき」を立ち上げたばかりで、情報収集に出向いた先でのことでした。

短い時間の中で伝統工芸に携る方とお話をすると、どうしても「古き良きを残す、守る」というふわっとしたテーマに留まってしまうのですが、田中さんが「産業である以上、つくる、売る、使ってもらう、がなきゃ意味がない」と実直に話されていたのが、ずっと頭から離れずいました。
「地元びいき」が目指すところは、持続ある自立したローカル経済の創出!(ちょっと大げさですが)のお手伝いです。だからこそ、田中さんの言葉がダイレクトに耳に入り、一緒にお仕事ができないだろうか、がお付き合いの始まりでした。

最近は「地域ブランド」というカタチで、良品でも売れずにいる地場製品をリデザインすることで、新しい商品価値を生み出して、使い手を増やすという「ブランド品化」による成功をみることができますね。
当初、私も「ブランド化、新商品化」路線で考えを馳せていたのですが、実際、地場産業に携っているお二人と話し合っているうちに、本当にそれで経済はもちろん、伝統の継承、資源再生、地元の人にとっての誇り(自慢)として未来に繋がっていくのだろうか?と思い出したら、「伝統」というキーワードが引っかかり、正直グルグルグルと目標点を見失ってしまいまして。。。近江上布 近江の麻

そんな想いを田中さんや西川さんにぶつける度、逆にお二人にとっては今まで考えたことがない側面にぶち当たったようで、三人でのグルグルグル会談がスタートしたのが、今年のはじめのことでした。
それならばいっそ、使い手側となる方々を集めて、実際に伝統的工芸品「近江上布」、地域ブランド「近江の麻」を触ってもらいながら、特に落としどころは決めず、色んな意見交換をしてみてはどうだろう?と。それが今回の〈座学&ワークショップ〉開催に繋がりました。近江上布 近江の麻

何となく分かっているようで、実態を知らない「伝統的工芸品」という位置づけ。一昔前までは、要するに「日用品」だったものが、「伝統」という言葉で守られる代わりに、神棚へと挙げられてしまい、使い手の側にいるはずのモノが、とても遠い存在となっている。これはこれで良しなモノもあるだろう、が。
参加してくれた方々の多くからも、この「伝統」という称号に与えられた責務の所在に質問が集中。その辺の様子は、参加者の皆さんに書いていただいた感想文からも読み取っていただけるかと思います。近江上布 近江の麻

最後のワークショップでは、「近江の麻」を使ったコースターづくりを準備していたのだが、質問、提案が飛び交い、気付けば残り15分という始末。。。ワークショップを楽しみにしていた方すいませんでした!近江上布 近江の麻今回、唯一残念だったのが、滋賀県出身の参加者がいらっしゃらなかったこと。地域産業としてどうしていきたいんだろ?。。。やはり、地元の人の声が聞きたい。次回は滋賀県で開催かな。
そして、これからもこの〈座学&ワークショップsession〉を開催していきますので、多くの皆さんの参加をお待ちしております!

最後に、
「皆さんが一斉にこっち(近江上布)を向いて話してくれていること。それだけでとても嬉しかった。いいヒントも拾えました!」と田中さんの言葉。

会場を提供してくださいました、OAK HOUSEさまありがとうございました。
参加していただいた方々から感想をいただきました。ありがとうございました!
次回以降の参加もお待ちしておます!(記載順不同) 近江上布 近江の麻

(地元びいき 和田)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

日本に古くから伝わるものは残したい!だけど、どういう問題があるんだろう?どうやったら伝統を繋げていくことができるんだろう?という疑問を持ってワークショップに参加しました。
まず「苧麻」の繊維から糸を作るのに熟練の職人さんでも1日8~10gしか作れないということにビックリ。一反に必要な糸の量は800gだそうなので、糸を作るだけで3カ月程かかる。それだけでなく様々な工程が「伝統工芸」という看板を守るために必要なんだということがわかりました。これだけ多くの工程数がかかっているのだから、値段が高くても当たり前…と思ってしまうのですが、作り手側からしてみれば「高い」=「売れない」=「職人も減る」という深刻な問題があることもお話頂きました。
今回のように作り手と使い手が意見を交わす時間って希少だと思いますし、使い手となる私も、日常的に「伝統工芸」について話すことはないので貴重な時間になりました。是非第2回目の開催を希望します!(白井さん 地元♥東京都)

☆☆☆

近江上布の説明がメインのイベントかと思っていましたが、これからどうやって伝統工芸を残せるかということがメインだったことが一番おどろきました! ですが、もともとそういうのが好きなので、WSに参加せずにずっと話をしていたほど、とても楽しかったです!
その後、ミッドタウンで開催されていた東北マーケットに行き、秋田ののんびりやわっぱミラーなどを見ていました。伝統文化をいまのデザインにという取り組みに興味があるので、今後もサイト&イベントを楽しみにしております。どうもありがとうございました!(hashiさん)

☆☆☆

近江上布を初めて見て・触れることが出来て、大変貴重な機会でした。麻の織物には適度な湿度が必要で、そのために琵琶湖を擁する近江地方は近江上布の産地となり得た、というお話を聞いた時、地域とそこで産み出されるものの関わりの持つ意味が腑に落ちました。
あっという間に時間が経ってしまい、伝統工芸が伝統工芸として続いていくためには、本業の繊維業で生活していける以上の稼ぎか、別の何かが必要、というところをもう少しつっこんでお話しす流ためには、次の機会が必要なのかも、と思いました。(くにさん 地元♥東京都)

☆☆☆

伝統工芸の素晴らしさを知る機会は数あれど、伝統を守る立場に立って掘り下げたのは初めてで、刺激的なワーク ショップでした。
機械に頼らず人が造りだしたモノには独特の風合いがありますが、その分値段が高くなってしまい買い手がつかなくなってしまう、日常使いができなくなってし まうという、伝統文化と消費社会の間にある壁を目の当たりにしました。
日本の伝統的な繊維である手績みの麻が、コットンに圧され、工業化に圧され風前の灯になっていますが、工業製品に席巻された時代だからこそ、機械には成しえない高度な技を駆使し、時間をかけて生み出す布にかけがえのない価値を見出す時代がすぐそこまで来ていると信じようとおもいました。(S・Hさん 地元♥神奈川県)

☆☆☆

私は79年・昭和54年生まれです。
母の実家が栃木県河内町(今は宇都宮市)というところで幼い時分によく帰省もしていたので、田舎のふるきよきものに触れる機会もたくさんあったことと母が古民具・骨董・民芸にも関心がある人だったので、自然に私も手仕事で生まれるモノに興味をもつようになりました。
最近、地方に目を向けたWEBマガジン・FBファンページを見る機会が多くなり、地方がとても身近にかんじることができるようになってきたと感じています。
そんな中で今回この企画もFBで知り、「近江上布」についても知らなかったのと、自然に恵まれた滋賀県のものづくりとはどういったものだろうかと興味をもち参加しました。
会場も職場の近くということもあって、またNHK72hという番組でとりあげられていた施設ということもあって「場所」の関心もあったので、今回参加させていただきました。

参加してみて感じたことは、問題が山積みであることと、それに関して解決するさくが地元のかたがたではなかなか難しいのではないかというところです。
職人さんが一人でもかけると商品が生まれないという危機的状況にとても驚きました。
技術の伝承がだいいちかもしれませんがまずは作り続けたくなる魅力あるものを考えなければいけないと感じました。また、他所から技術者を募る場合も数年で作ることができて、多少お金になるシステムが必要だともかんじました。
ディスカッションで私があげた提案は、麻の商品でシーツや枕カバーがあるとのことだったので、旅館やホテルでつかってもらってはどうかという提案をしました。
とにかく使ってもらうこととアピールになる方法が生まれればいいなと感じました。

その場では思いつきませんでしたが、帰り際にふと思いついたのは、手績みの技が「縁」を結んでくれるとても縁起物のようなすばらしい技術な気がしたので、近江上布で作った縁結びのお守り袋があれば良いなと思いました。
麻は水に浸すことでしまって強くなるともお聞きしたので、パワースポットでもある琵琶湖そのものの水を吸収させることでも、何か力のある話題性のあるお土産になるのではと思いました。
小さいので量産も考えられるだろうし、若い職人さんでももしかしたらできるのではとも思いました。

短い時間でしたが、体験もさせていただきとても楽しかったです。

こういった例がきっと日本中そんじょそこらに体積しているのだろうと思うと、なかなか暗くなってしまいますが、どんどんできることを自分なりに考えたり情報発信したりして日本の大切な宝をまもっていければと思います。

大変長くなりましたが感想とさせていただきます。
ありがとうございました。(五郎丸 歩さん)


2014/3/25 更新

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