文化庁が13日発表した国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に提案する国内候補に、八戸市の「八戸三社大祭の山車行事」も選ばれた。早ければ来年11月のユネスコの政府間委員会で決定する見通しで、登録されれば「県内初」の無形文化遺産となります。
八戸三社大祭は約290年前から続く行事で、2004年に国の重要無形民俗文化財に指定され、最大で高さ約10メートルの山車は、伝説や歌舞伎などを題材に色とりどりの飾りが施される。祭りは多くの観光客が訪れる、東北の夏の風物詩の一つ。
■三社大祭の始まり
八戸三社大祭は、享保6年(1721)に法霊大明神(現在のおがみ神社)が神輿行列を仕立て、長者山三社堂(現在の新羅神社)に渡御したことに始まります。
■祭りの変遷
やがて、この祭りには、八戸藩の有力な商人が買い入れた人形を載せて担いだ「屋台」や「虎舞」など、町民で編成した行列が参加するようになり、まちの安泰や豊作を祈願する大規模祭礼として発展していきました。
明治17年(1884)には新羅神社が、その3年後には神明宮の行列が加わって三社の祭りとなり、それまでの同じ人形を屋台に載せるスタイルから、毎年新しく作った山車を運行する形へと変化し、現在の祭りの原型となりました。
■山車の4つの類型
三社大祭の山車は、民話や歌舞伎などを題材としたものが多く、その題材や場面により4つの類型があります。最近の山車は、これらを複合したものもありますが、その基本形が何なのかを考えながらご覧になるのもおもしろいでしょう。
・岩山車
黒い岩場に松や紅葉などが飾られ、滝などが描かれている
・波山車
海を舞台とし、船などを中心に波が取り巻く構図
・建物山車
大きな門や城の一部が中心
・高欄山車
赤い欄干で四方を囲んだもので、後部をさらに一段高くし、脇には軒花が飾られる
八戸三社大祭についてはこちらから?
2014/3/18 更新