• Facebook
  • Twitter
  • 地元びいきとは
  • 問い合わせ

〈日本の民話:新潟県〉大根とごぼうとにんじん

「大根」と「ごぼう」と「にんじん」。どれも親しみのある身近な野菜ですが、実は大根は、古くからとても優遇されています。その一例となるお話が、新潟県の民話「大根とごぼうとにんじん」として残されています。

「大根とごぼうとにんじん」
もとは三人とも真っ白だった「大根」と「ごぼう」と「人参」。その三人が、山に遊びに行きました。ところが遊び疲れて山を下りられなくなり、通りがかったお百姓さんに助けを求めます。
お百姓さんは「一人だけはおろしてやる」と言って、大根だけを背負って山をおります。
取り残されてしまった人参とごぼう…。人参は怒りすぎて顔が真っ赤になり、ごぼうも怒って仰向けでひっくり返っているうちに太陽で焼けてしまい真っ黒に…。大根はもとのまま、真っ白でしたとさ…というお話。

なぜ大根だけがひいきされるのでしょう。
大根の歴史は古く、『古事記』にもその記述が残されています。短期間で生育し、漬物や切干大根として長期保存ができ、葉は菜飯に、根は大根飯として米不足を補い、飢饉を乗り越える糧にもなっていました。
また、「大根役者」は芸の拙い、「当たらない」役者のことを指しますが、その起源は大根の優れた薬効からきており、生でも煮ても焼いても「食当たりしない」野菜だったことに始まります。
他にも、中国から白い色が禊の色として伝わると、大根は日本の農耕儀礼などの神事で食されるようにもなりました。

このようなことから、大根は庶民の間で特別な野菜として扱われ、「大根とごぼうとにんじん」というお話しになったのかもしれませんね。


2014/2/18 更新

カテゴリ

タグ

新着記事