• Facebook
  • Twitter
  • 地元びいきとは
  • 問い合わせ

〈日本の民話:京都府〉みょうがの宿

学術的・栄養学的にはまったく根拠がありませんが、俗に「みょうがを食べると物忘れがひどくなる」という迷信があります。京都府丹後地方に伝わる「みょうがの宿」という民話の中に、この迷信の由来が残っており、庶民に広まっていったという説があります。
また、岩手県や広島県安芸に似たような民話が残っているようです。

「みょうがの宿」
むかしむかし、丹後の国へ、一人の絹商人が絹物売りにやってきました。
日が暮れたので、一軒の宿屋に泊ることにしましたが、宿屋のおかみさんとご主人は大そうな欲張り。絹商人がどうにか包みを忘れていかないかと思案します。
そこでみょうがをたくさん食べると、頭がのぼせて物忘れをするということを思い出したご主人。おかずにも、漬物にも、ご飯にも、たくさんのみょうがを入れて絹商人をもてなします。たくさん食べてのぼせ上がった絹商人は「冷たい風にあたらないと」と言って急に出て行ってしまいます。その姿を見てワクワクしたおかみさん。
ところが部屋には忘れ物どころか、塵ひとつ残っていません。それを聞いて慌てたご主人が「大変なものを忘れた。昨夜の宿代をもうらのを忘れた」と。

「みょうが」をたくさん食べると頭がのぼせて物忘れをする…この民話の中の迷信は、下記の仏教説話に基づいていると言われています。
お釈迦様のお弟子さんに物覚えの悪い人がいました。この人は自分の名前もすぐ忘れてしまうので、名札を首から下げていたそうですが、名札を下げていたことさえも忘れてしまう始末。そしてとうとう名前を覚えられずに亡くなってしまいました。
その後、その人の墓の周りから見慣れない草が生えてきました。「自分の名前を荷(にな)って苦労してきた」お弟子さんだったことから、「名」を「荷う」ということで、この草は茗荷(みょうが)と名づけられました。

そしてみょうがを食べると物忘れがひどくなると言われるようになったとのことです。みょうがの宿


2014/2/18 更新

カテゴリ

タグ

新着記事